今週の為替相場展望

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今週8月17日-21日週の為替相場は、調整ドル安と中長期スパンでのドルの下値固め、ポンドの先高余地、ユーロや資源国通貨(豪ドル、NZドル、カナダ・ドルなど)の反発の賞味期限などをにらんだ展開となる。

ドル/円の週足テクニカルでは、13週移動平均線123.60円前後、一目均衡表の転換線122.85円前後、基準線122.01円前後などを下値メドとしたドルの押し目買い地合いの継続と、緩やかな下限の切り上がりの持続性が焦点になりそうだ。

一方で前週で改めて125円前後にかけてのドルの上値の重さを確認。

これまでのドル全面高のポジション調整や、米FRBによる9-12月にかけての利上げに対する織り込み進捗などもあり、当座はドル戻り売りの消化度合いを見極める展開が続く。

今週の注目は、中国当局による人民元切り下げ調整の一服となる。

中国人民銀行は大幅切り下げのあと、「調整はほぼ一巡した」と説明しており、実際に元安に歯止めが掛かると、ドル安や資源国通貨の反発が支援されやすい。

ドル/円はドルの下値余地が残る一方、日米株などの下落歯止めがクロス円でリスク回避の円高を抑制する。

ポンド/円は来年にかけての英国中銀の利上げを見据えた先高余地が焦点となるほか、ユーロ/円はギリシャ救済策の進展などによる当座のユーロ底入れ、豪ドル/円やNZドル/円、カナダ/円などは、売られ過ぎの反動修正的な自律反発の「賞味期限」を手探りで模索する展開となりそうだ。

米国での注目は、引き続きFRBの利上げ時期となる。

すでに9-12月までの利上げは織り込まれつつあり、ドルの上値は重いものの、今週の経済指標やFRB幹部の講演などで、改めて9月利上げが示唆されると、調整ドル安の値幅は限定的となる。

反対に中国人民元切り下げショックなどの混乱により、9月利上げの先送りムードが高まると、ドル安の流れを助長。

調整ドル安の下押し幅を大きくさせ、ドル安の期間、もしくは日柄調整によるレンジ横這い化の時間が長くなる可能性もはらむ。

日本に関しては、17日の4-6月期GDPが注目されるだろう。

事前予想では輸出減退などで低迷が警戒されている。

実際に悪化となれば、中国減速懸念などとあいまって、短期的な株安とリスク回避の円高に振れる余地がある。

一方で安倍首相は14日、戦後70年の談話のあと、9月自民党総裁選での再選に強い意欲を示した。

安保法制の強硬推進などによる内閣支持率の低下や、「安保法制三昧で経済軽視」といった批判に対処するため、改めて経済対策が強化されそうだ。

戦後70年談話の「タカ派懸念」一服とあいまって、日本株をサポートするようなら、クロス円主導での円安シナリオも残されている。

その他、FRBによる今後の利上げについては、中長期スパンでの日米の金利差拡大によるドル高・円安要因だけでなく、日本の企業や金融機関による「円転(円買い)・ドル売りの抑制」や「低金利の円調達によるドル転活用(ドル買い)」拡大の側面も無視できない。

日本の製造業は円安でも国内市場の人口減少などに備え、国際分業体制と海外での現地生産を維持させている。

海外生産比率は、現在も過去最高水準を保ったままだ。

先行き海外現地法人や海外での買収企業は、設備更新や人員確保、拠点拡充、借入返済などのため、恒常的にドルの資金需要が続く。

その中で緩やかであっても、ドル金利が上昇するとなれば、ドルの調達コストや借入コストが上昇することになる。

海外現地でのドル収益はなるべく海外でドルのまま留保し、海外での運転資金に充当。

ドル借入を軽減させるため、なるべく日本への円転送金を抑制させる可能性がある。

さらに現在は生損保などの金融機関を含めて、日本企業は外国企業の買収を強化させている。

日本のメガバンクも海外向け貸出を増強させており、今や国内貸出を上回る銀行も出てきた。

いずれも「ドル資金の確保」は引き続き重要になる。

日本の製造業、非製造業を問わず、過去に例のないほどグローバル化が進んできた。

その中で迎える今回のFRB利上げは金利の上昇幅は僅かであっても、「海外生産や輸出によるドル収益や、外貨建て資産運用でのドル収益の現地ドル滞留(円転抑制)」や、「低金利の円調達によるドル転活用」を促すことで、来年にかけて緩やかな円安・ドル高基調を継続させるシナリオも注視されるだろう。


経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<17日・月>
08:50 日4-6月期GDP統計[一次速報]
(輸出停滞などで低迷警戒。適度な減速なら政策期待で円安、大幅悪化ならリスク回避の円高に)
16:00 トルコ5月失業率
(低迷警戒もトルコ・リラの売られ過ぎ修正的な自律反発焦点)
21:30 米8月ニューヨーク連銀製造業景況指数
(株安や中国などの世界減速、利上げ警戒などが重石。自動車や内需関連は良好、原油安もプラスに)
23:00 米8月NAHB住宅市場指数
(雇用の質改善や利上げ前の駆け込み需要、金融機関のローン融資緩和などが支援材料)

<18日・火>
10:30 豪中銀議事録[8月]
(一段の豪ドル安志向や早期の追加利下げ示唆がなければ、豪ドルの自律反発維持)
17:30 英7月消費者物価指数
(賃金や住宅の改善などが物価の下げ止まり支援。原油安は下振れ波乱の要因)
20:00 トルコ中銀、政策金利発表
(一旦の悪材料出尽くしによるトルコ・リラの売られ過ぎ修正的な自律反発焦点)
21:30 米7月住宅着工件数
(米住宅指標は、雇用の質改善や利上げ前の駆け込み需要などで持ち直し傾向)

<19日・水>
07:45 NZ4-6月期生産者物価指数
(商品価格の下落などが下振れ要因。追加緩和警戒などでNZドルは戻り売り圧力が根強い)
08:50 日7月貿易収支(通関統計)
(原油下落による輸入抑制が赤字減少を支援。ただし、中国停滞で輸出も伸び悩み懸念)
21:30 米7月消費者物価指数
(原油安やドル高でも同じ7月の生産者物価指数=PPIは予想ほど低下せず)
23:30 EIA週間石油在庫統計
(在庫増加の一服なら、原油相場の売られ過ぎ修正による自律反発支援)
27:00 米連邦公開市場委員会[FOMC]議事録[7月28、29日分]
(9月利上げのヒントが示唆されると、ドルをサポート)

<20日・木>
09:20 コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁、講演[ソウル]
15:45 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁、ジャカルタでの講演原稿公表
(中国人民元切り下げ混乱によるFRB9月利上げへの影響焦点に)
17:30 英7月小売売上高
(賃金や住宅の改善、原油下落などで英国の内需は底堅さ)
21:30 米新規失業保険申請件数
(前週までは15年ぶり低水準に改善。改善持続と反動調整的な悪化にらむ)
23:00 米7月中古住宅販売件数
(米住宅指標は、雇用の質改善や利上げ前の駆け込み需要などで持ち直し傾向)
23:00 米8月フィラデルフィア連銀景況指数
(株安や中国などの世界減速、利上げ警戒などが重石。自動車や内需関連は良好、原油安もプラスに)
ギリシャ ECB保有国債の償還、最大32億ユーロの返済期限
(すでに救済措置は進展。無事に返済ならユーロをサポート)

<21日・金>
17:30 英7月公共部門純借入所要額
(来年の利上げに向けたポンド押し目買い地合いの持続性をにらむ)
21:30 加7月消費者物価指数
(原油安が物価押し下げ。カナダ・ドルは戻り売り圧力が根強い)
22:45 米8月製造業PMI[速報]
(株安や中国などの世界減速、利上げ警戒などが重石。自動車や内需関連は良好、原油安もプラスに)


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