今週の為替相場展望

ここでは、「今週の為替相場展望」 に関する記事を紹介しています。
今週5月25日-29日週の為替相場は、ドル高再開の持続性と、裏表でのユーロや豪ドル、NZドル、カナダ・ドルなど「非ドル通貨」の伸び悩みをにらんだ展開となる。

ドル/円の週足テクニカルでは、一目均衡表の転換線119.95円前後、13週移動平均線119.94円前後、基準線118.79円前後などに下支えされる形で、ドルの下値固めと緩やかな下限切り上がりが定着してくるか。

あるいは根強いドルの戻り売りに押されるかが焦点となる。

ここに来て海外勢からは、米FRBの「年内利上げ」織り込みの進捗と、緩やかなFRBの利上げペースに対する安心感を受けた米国経済の回復持続期待などから、改めて中長期的に1ドル=125-135円方向のドル高を見込む声が聞かれつつある。

今週も焦点は米国の経済指標。

引き続き米国指標は強弱混在が続いているが、前週は住宅着工件数の大幅改善と、消費者物価指数(CPI)のコア小幅上昇がドル高を促した。

米国では雇用の質の改善や、小売業を中心とした最低賃金の引き上げなどにより、中間層以下にまで景気回復の波及が見られつつある。

今週以降もこうした米国経済の「底上げ」が確認されると、中長期スパンでのドルの押し目買い地合いが支援されやすい。

しかも前週は米FOMC議事録などで、FRBの6月利上げが後退しながらドル高が後押しされた。

米国では底流部分で緩やかな雇用などの回復軌道が維持されるなか、「利上げ時期の後ズレ」や「1回目の利上げ後の慎重な利上げペース」という流れは、来年にかけての米国の景気回復やドル資産(株式や不動産など)にはプラス要因となる。

さらに中国などの新興国を始めとして、2008年のリーマン・ショック以降は、米国の金利低下とドル安を背景に巨額なドル借り入れやドル調達を膨らませてきた。

先行き緩やかでもFRBの利上げやドル高が進むようなら、こうしたドル債務の負担が膨らんでしまう。

現状段階からドル返済やヘッジ対応、ユーロ建てや円建て、自国通貨建てへの借り換えを漸増させていくものだ。

これまた中長期スパンで「ドルが下がれば買い」というドルの押し目買い需要や、ユーロと円などの戻り売りを支援しやすい。

今週の注目ポイントとしては、ユーロの動向もある。

前週は欧州中銀(ECB)幹部による量的緩和(QE)のペース加速や先行き拡充の示唆などを受けて、ドイツ国債の急上昇(債券価格は急落)とユーロ高に歯止めが掛かってきた。

6月にかけてはギリシャの債務返済懸念も残り、ユーロの戻り売り再燃が意識されやすい。

もっともユーロについては、6月3日にECB理事会が迫ってきた。

先行きのQEペース加速期待の一方、当面の追加緩和後退の思惑などがユーロの下支え要因となる。

6月3日にかけては、レンジ内で新たな方向性を模索する展開も想定されるだろう。

その中で円相場に関しては、4月以降の「ユーロ/円などクロス円主導での円安と、ドル/円での円高(ドル安)抑制」という流れから、「ドル/円主導での円安(ドル高)と、クロス円の円高(ユーロなどの外貨安)抑制」への移行が焦点となる。

ただし、撹乱要因は日米株などの株価動向。

米FRBの利上げ警戒などで調整株安に振れると、リスク回避で円全面高、株価が底堅さを維持すると、リスク選好で円安という一喜一憂が見込まれる。

ただし、日本では6月にかけて財政健全化計画の取りまとめが本格化してきた。

具体策として歳出削減や政府保有資産の売却(日本郵政・JTなどの旧公社株や公有不動産、施設など)、資産課税や相続税の強化、高所得者の年金減額などが浮上している。

いずれも景気回復やデフレ脱却にはマイナスとなる施策。

財政再建に伴う景気減速やデフ圧力を減殺し、少しでも政府保有資産の売却や資産課税、相続税の徴収強化による歳入金額をカサ上げさせるためにも、現状から株価や不動産を始めとした資産価格の「一段の底上げによるノリシロ作り」が政策的に注目を集めている。

こうした政策との関連でいえば、今秋に予定される日本郵政グループ3社の上場(上場利益は震災復興の財源に)成功や、高所得者の年金減額に対する不満抑制のため、良くも悪くも国策としての円安・株高の維持策が焦点になっている。


経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<25日・月>
08:50 日4月貿易収支[通関統計]
(貿易赤字への回帰が円安地合いを支援も)
22:10 メスター・クリーブランド連銀総裁、講演[アイスランド]
24:00 フィッシャーFRB副議長、講演[イスラエル]
(最近の景気・物価判断や今後の利上げ時期、局地バブルへの認識など焦点)
[香港]仏誕節
[英国]バンクホリデー
[米国]メモリアルデー、株式・債券市場は休場

<26日・火>
07:45 NZ4月貿易収支
(商品相場の下げ止まりなどによる収支改善焦点)
18:30 南ア1-3月期GDP統計
20:00 南ア1-3月期失業率
(1-3月は世界的に指標悪化。今後の反動改善期待がランドを下支えも)
21:30 米4月耐久財受注
(4月のISM製造業景況指数で新規受注は改善。ただし、自動車販売などは回復鈍化)
22:00 米3月及び1-3月期住宅価格指数
22:00 米3月S&Pケースシラー住宅価格指数
(1-3月の住宅指標は低迷も、住宅価格自体は下げ止まりを維持)
22:45 米5月非製造業/総合PMI[速報]
23:00 米5月消費者信頼感指数
(緩やかな雇用回復や最低賃金引き上げの動きなどが下支え。株高一服や原油反発は重石)
23:00 米4月新築住宅販売件数
(住宅着工や先行指標の建設許可件数などは改善)
25:30 フィッシャーFRB副議長、講演[イスラエル]
(最近の景気・物価判断や今後の利上げ時期、局地バブルへの認識など焦点)
26:00 米財務省2年債入札
(先行き利上げ警戒の中での需要焦点。低調なら金利上昇とドル高に)

<27日・水>
09:10 ラッカー・リッチモンド連銀総裁、講演
(最近の景気・物価判断や今後の利上げ時期、局地バブルへの認識など焦点)
09:45 ロウ豪中銀副総裁、講演[シドニー]
(今後の利下げ余地や豪ドル安志向の持続などが示唆されると豪ドルを圧迫)
10:30 岩田日銀副総裁、札幌市で講演
14:00 岩田日銀副総裁、記者会見[札幌市]
(先行きの追加緩和の余地や手段などが焦点。当面の様子見示唆なら円安抑制も)
23:00 カナダ中銀、政策金利発表
(最新の物価指標は伸び悩み。原油安などによる景気慎重見通しならカナダ・ドル圧迫)
26:00 米財務省5年債入札
(先行き利上げ警戒の中での需要焦点。低調なら金利上昇とドル高に)
7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議[29日まで、ドイツ・ドレスデン]
(円安やユーロ安、ドル高の牽制焦点。為替の協議なしなら、円安・ドル高地合い支援)

<28日・木>
10:30 豪1-3月期民間設備投資
(1-3月は世界的に設備投資低迷。資源下落も重石)
15:20 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁、講演[シンガポール]
(最近の景気・物価判断や今後の利上げ時期、局地バブルへの認識など焦点)
17:30 英4月BBA住宅ローン承認件数
17:30 英1-3月期総合事業投資[速報]
(英国では住宅指標を中心に持ち直し傾向。都市部は不動産バブル懸念も)
18:00 ユーロ圏5月消費者信頼感[確報]、鉱工業信頼感
(金利上昇やユーロ反発、ギリシャ懸念などで回復ペースの制御懸念)
18:15 ノボトニー・オーストリア中銀総裁、講演
(量的緩和のペース加速や先行き拡充などへの言及焦点)
21:30 加4月鉱工業製品価格、加4月原料価格指数
(前週発表のコア消費者物価指数は低迷していた)
21:30 米新規失業保険申請件数
(改善傾向の持続とテクニカルな反動調整鈍化をにらむ)
23:00 米4月中古住宅販売成約指数
(成約指数は改善傾向。雇用改善や金利上昇前の駆け込みなどもサポート)
24:00 EIA週間石油在庫統計
(原油生産の再開と在庫の下げ止まりが見られると原油価格の上値抑制)
26:00 米財務省7年債入札
(先行き利上げ警戒の中での需要焦点。低調なら金利上昇とドル高に)

<29日・金>
07:45 NZ4月住宅建設許可
(利上げ観測の後退と金利低下などが下支え)
08:30 日4月全国消費者物価指数
(原油反発が物価下落を抑制。それでも物価2%までは程遠く、日銀緩和余地が残存)
08:50 日4月鉱工業生産[速報]
(在庫調整の進捗度合い焦点。米国や中国など世界減速は重石)
15:00 独4月小売売上高指数
(4月までのドイツ指標は回復傾向。金利低下やユーロ安、株高、雇用回復などが支援)
16:00 トルコ4月貿易収支
(原油安などが収支改善を支援。トルコ・リラ反発の持続性をにらむ)
21:30 加3月及び1-3月期GDP統計
(世界的に1-3月GDPは低迷。原油安が産油国のカナダ経済に打撃)
21:30 米1-3月期GDP統計[改定値]
(輸出減少、在庫投資の抑制、資源関連の設備投資急減などで下方修正のリスク)
22:45 米5月シカゴ購買部協会景気指数
23:00 米5月ミシガン大学消費者信頼感指数[確報]
(5月指標は総じて期待外れ。5月後半からの株価復調や住宅回復機運などの影響焦点)


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