今週の為替相場展望

ここでは、「今週の為替相場展望」 に関する記事を紹介しています。
今週3月16日-20日週の為替相場は、ドルの下値固めと根強いユーロ安やポンド安などによるクロス円での円高圧力との綱引きが続く。

ドルの週足テクニカルでは、4週移動平均線120.18円前後、13週移動平均線119.24円前後、一目均衡表の転換線118.94円前後などを下値メドとしたドルした押し目買い地合いの持続性が焦点となる。

3カ月スパンのトレンド方向性を示す13週線の方向は、2月からの下向きを経て微妙な上向き化へと回帰し始めた。

今週の注目はまず米国の経済指標。

米国の指標は前週、寒波要因などで下振れが目立っただけに、今週も伸び悩みがドルの上値抑制要因として警戒されやすい。

ただし、前週には米国の指標低迷が、FRBによる6月利上げ警戒の後ズレ期待に作用。

米国株は上昇し、為替相場ではクロス円主導での円安に振れる場面も見られた。

さらに米国では3-4月の指標分から「寒波影響の反動回復」が期待されるため、短期的なドル安局面では、ドルの押し目買いが支援される。

続いて16-17日には日銀の金融政策決定会合が開催される。

現在は欧州中銀(ECB)などの緩和強化に対し、日銀は当面の様子見が見込まれていることで、ユーロ/円などクロス円で円高の圧力が掛かっている。

しかも日本では原油安などで物価マイナス転落の可能性が高まっているにもかかわらず、日銀が追加緩和の姿勢を見せないと、クロス円中心の円高リスクは厳然と残る。

その中で黒田総裁が改めて「物価2%目標」の達成に向けて、先行きの追加緩和を示唆するようなら円高を抑制。

同時に現在のドル高・円安を追認したり、ユーロ安などから派生する円高リスクに警戒姿勢を示すようなら、円の戻り売り(外貨の押し目買い)を後押しさせる余地も残されている。

いずれにせよ、現在の日銀は「主要国のグローバル・スタンダードである物価2%目標」の実現努力を続けることで、内外価格差から派生する恒常的な円高からの完全訣別を目指している。

1990年代以降は他国の物価上昇に対し、日本だけ相対的に物価の下落が長期化したことで、円の価値増大と円の過大評価が常態化。

そして円高が物価の下落に拍車を掛けるという、円高とデフレの負のスパイラルから抜け出せずにきた(デフレは通貨高、インフレは通貨安の要因)。

もちろん、先行き物価2%の実現は多難なほか、国内では「無理に物価2%を目指す必要はない」という批判が根強い。

それでも黒田日銀が物価2%への「政策努力」の継続と、円の「過大評価」逆戻り遮断に揺るぎない覚悟を固めていることは確かだ。

こうした日銀の姿勢が変わらない限り、短期調整的な円高局面があっても、持続的な円高は歯止めが掛けられるという政策信認が強まりつつある。

今週の最大の注目は17-18日の米FOMCだ。現状では声明で「辛抱強く低金利を維持」の声明を削除することで、6-9月にかけての利上げ地ならしを前進させるという見方が強い。

ただし、過度な利上げ警戒は米国株の急落やドル急騰を招くため、イエレンFRB議長は市場動向に細心の注意を払った「今後の指標次第の中立姿勢」を強くアピールする可能性がある。

市場が警戒するほど6月利上げのヒントがなければ、短期的にドルが下落。

一方で米国株はサポートされることで、クロス円ではユーロやポンドなどの欧州通貨や、豪ドル、NZドルなどの資源国通貨が上昇し、ドル/円でのドル安・円高が抑制される。

それでも米国では9月以降に利上げ観測は残される。

米FRBの利上げ観測が完全消滅し、金融緩和への逆戻りシナリオが出てこない限りは、中長期スパンでの「ドルの下落局面は買い」という押し目買い地合いが維持されるだろう。

ドル/円は調整ドル安や日柄調整による横這い化を挟みながらも、時間をかけて124円、続いて128-130円方向を目指すという見通しが強まりつつある。

一方、今週もユーロ安やポンド安のリスクは消えていない。

ユーロは短期的な過熱調整による反発の余地をはらむ一方、ポンドは5月の英総選挙に向けたEU離脱問題が警戒されつつあり、5月にかけて戻り売り圧力が強まってきた。

目先はユーロ/ポンドでのユーロ高・ポンド安の持続性などを吟味しながら、日々ユーロとポンドの「弱さ比べ」や、両通貨の中長期的な先安余地、短期的な調整反発を見極めていく展開が続きそうだ。


経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<16日・月>
14:00 日銀政策委員会・金融政策決定会合[17日まで]
(原油安などによる一時的な物価下落への対処焦点に。17日総裁会見までは円高抑制)
17:00 トルコ12月失業率
(トルコ・リラ急落一服の持続性が焦点に)
21:30 米3月ニューヨーク連銀製造業景況指数
(寒波影響の持続と一段落焦点。ドル高や世界減速は悪材料)
22:15 米2月鉱工業生産
(寒波による電力やガスなどの生産拡大がプラス要因。自動車減速などは重石)
23:00 米3月NAHB住宅市場指数
(寒波影響の持続と一段落焦点。雇用回復や利上げ前の駆け込みはプラス要因)
27:45 ドラギECB総裁、講演[フランクフルト]
(量的緩和の今後やユーロ急落への反応焦点)

<17日・火>
09:00 日銀政策委員会・金融政策決定会合[終了後直ちに結果公表]
(現状維持が一時的な円高材料にも)
09:30 豪中銀理事会議事録[3月3日分]
(追加利下げの地ならしがあると豪ドル安要因に)
15:30 黒田日銀総裁、記者会見
(原油安による物価下落でも緩和慎重なら調整円高に。ただし、円安追認が円高抑制)
19:00 独3月ZEW景況感指数
(ECB量的緩和始動や金利低下、ユーロ安、資源安などがプラス要因)
21:00 トルコ中銀、政策金利発表
(トルコ・リラ急落一服の持続性が焦点に)
21:30 米2月住宅着工件数、建設許可件数
(寒波や賃金低迷などがマイナス要因。春に向けた許可件数の回復が鍵)
 米連邦公開市場委員会[FOMC、18日まで]
(18日まではポジション調整的なドル安余地があるも、基本はFOMC警戒がドル下支え)

<18日・水>
06:45 NZ10-12月期経常収支
(通貨高の抑制などによる収支の改善焦点)
08:50 日2月貿易収支[通関統計]
(中国の春節連休などで輸出減少。赤字持続が円安基調を支援)
18:30 英2月雇用統計
(金利低下やポンド安、欧州復調などで英国の雇用は改善傾向)
18:30 英中銀議事録[3月4-5日分]
(賃金改善などによる先行きの利上げヒントがあればポンドの調整反発を支援)
21:30 オズボーン財務相、議会で予算演説[2015年度予算案発表]
(財政赤字の減少見通しが示されると、中長期スパンでポンドを下支え)
23:30 EIA週間石油在庫統計
(根強い在庫増加が原油相場を圧迫。春に向けて在庫減なら原油反発を支援)
27:00 米連邦公開市場委員会[FOMC声明・経済見通し]発表
27:30 イエレンFRB議長、記者会見
(声明の「辛抱強く低金利維持」削除がドル下支え。ドル高や低インフレ警戒ならドル安)

<19日・木>
06:45 NZ10-12月期GDP統計
(資源下落や世界減速などで低迷。ただし、一定の減速は織り込まれる)
18:00 欧州中央銀行[ECB]経済報告
(ECB量的緩和による先行きの景気回復を示唆なら一時的にユーロ下支えも)
21:30 米新規失業保険申請件数
(寒波影響の一段落による反動改善=申請減少の持続性が焦点に)
23:00 米3月フィラデルフィア連銀景況指数
(寒波影響の持続と一段落焦点。ドル高や世界減速は悪材料)
欧州連合[EU]首脳会議[20日まで、ブリュッセル]
(ギリシャ財政支援で進展があるとユーロの調整反発を支援。なければ失望ユーロ安)

<20日・金>
10:00 スティーブンス豪中銀総裁、講演
(豪ドル安の進展に一定の評価なら下落一服。追加利下げの行方も焦点)
12:35 黒田日銀総裁、講演[日本外国特派員協会]
(物価2%への努力継続を強調なら円安・株高地合いを支援。ユーロ安への対抗心も焦点)
21:30 加2月消費者物価指数
(2月の雇用指標は改善。通貨安などで下げ止まりなら、カナダ・ドルを下支え)
23:20 ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
24:30 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
(FOMC結果を踏まえた今後の利上げスタンスやドル高への言及などをにらむ)
欧州連合[EU]首脳会議[最終日、ブリュッセル]
(ギリシャ財政支援で進展があるとユーロの調整反発を支援。なければ失望ユーロ安)


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